2005
06.30

転位のための十曲(10 SONGS FOR BECOMING)

Songs

制作年:2005年
定価:2100円(税込み)
発売:おさかなレコード minemai1

オンライン販売(8曲のみのバージョン)

TRACKLIST(視聴)

1n a m e
2彼女の着ている青いドレスは流行している
(La robe bleue dont elle est vêtue est à la mode)
3微熱(Feverish)
4チョコレート戦争(Der Krieg der Schokolade)
5日常がある(Day-To-Day Resistance)
6鳩のように(Like a Pigeon)
7アモーレの生涯(Amore)
8太陽とロシアの船(Russian Ship under the Sun)
9銀河ソナタ(Starred Sonata)
10イスパーニャ(España)

LINE UP

minemaiko :vocals, produced, wrote the words & music for all the
songs arrangement, programming
Sakurada :violin, viola, strings arrangement,chorus, programming,
arrangement on ‘ name’ and ‘Feverish’
Yuji Oishi :guitar
Shinji Koyama (Major Code) :recorded, mixed, mastered
 
Cover design and art direction :unicahier
Cover pictures :private
 
Web support :Yasuko Kamata
Promotion in Ireland & Europe :Takashi Nakazono
 
Special thanks to :Nobuyuki Takahashi

COMMENTS

「転位のための十曲」に寄せて

風のような歌である。それは、快い揺らぎを繰り返しながら心をなでる。
軒端で光の輪を投げる月のような歌もある。それは、しんしんと胸に染みいってきて感傷的にさせる。
透明な川の流れの中で太陽の光を反射して黄金色に輝きながら踊る細かい砂のような歌もある。それは、懐かしさと、もうあのころにはもどれないという切なさを呼び起こす。
病室のベッドから見える窓硝子にぶつかっては崩れていく雪の花びらのような歌もある。それは、生きることの困難さと、世界のままならなさと、それでも世界は美しいということを教えてくれる。
ぼくはみねまいこさんのことはなんにも知らない。けれど、目を閉じてその歌声を聴いていると、なぜかこれまで自分が心惹かれた様々な情景が浮かんでくる。そしていつしか音は消え、完全な無音の世界となる。その不思議な静けさの中でたゆたっていると、体から余分な力が抜け、人も自分もほんの少し許せるような気がしてくるのだ。

毎日新聞 文芸部 福岡 賢正


ここではないどこかに行きたい。そう思いながらここにい続けた。もっと別の生き方があったような気もするけれど、この生き方でしか生きてこなかった。でもこれでよかったのだと言ってみたい。本当はちっともよくなんかないのだけれど。ここにある歌々は、そうして今日も生きてしまってるぼくらのために歌われているかのようだ。
こんな私もいるのだから、そんなあなたもいるはず、だから、今日と変わらないそぶりをしてやって来る明日も生きていこうよ、いっしょに、と。

 大分シネマ5     
支配人 田井 肇

みねまいこのうたを聞くととても懐かしい感じにとらわれるが、それが、どこからくるのかがわからない。どこかで聞いた気がするが、どこで聞いたのかが思いだせないのだ。たぶん、それはぼくが生まれる前からどこかで流れていた、無意識の音楽である。みねまいこの才能は、この世の中に空気のように漂っているだれのものでもない音楽を、ふと救いあげて自分のうたにするところにある。

東京芸術大学 音楽学部音楽 環境創造学科
助教授 毛利 嘉孝


彼女が凛とうたう姿はいつでも印象的だ。
黒いハイヒール、時には裸足で、足下にはスーツケース。伸びた背中。なびくワンピースの裾。
そのような断片を集約するのは、唯一無二の言葉と歌声。

素敵なライヴの空気を思い起こさせる一枚です。
象徴的な言葉が物語を成すとき、思わずその歌声に惹きつけられる。
そんな一曲一曲の不思議な魅力が堪能できるはず。

Free Wave Tenjin FM [RADIO .F]
(毎週日曜23:00~)
ドットエフ スタッフ 柳川 素子